Two Strange InterestS
「……助かったよ、助かったけど……沢城、そのキャラは何だ?」

「えっと……この間攻略した女の先生がカッコいいなぁと思って……私もいつか言ってみたいセリフストックから引き出してみたんだけど、どうだった? ちゃんとそれっぽく見えたかなぁ」

 新谷氏が先ほど送ってきたメール。その本文はたった一言。
 「設定は何でもいいから何とかしてくれ」――これだけで察して行動した私を誰か褒めてほしい。

 ……まぁ、さすが主人公体質。女の子を引き寄せるフェロモン(?)は健在ってわけか。

「っていうか……彼女、何者?」

 ただ、ここまで新谷氏が押されるのも珍しい。普段はああいう女の子を上手くかわしている印象があるから。
私の質問に、彼は鞄から鍵を探しながら呟く。

「……バイト先が同じ後輩。地元が同じだし、今は大学も同じなんだ」

「なるほど。それは、かわいそーに……」

 カッコよくて優しくて、まるで漫画から飛び出してきたような、非の打ちどころのない先輩。彼女に二次元への理解があるかどうかは知らないし、そんなギャップに萌えてくれるかも分からないが……新谷氏の新たな一面を知った彼女を見てみたい気もする。
< 47 / 160 >

この作品をシェア

pagetop