Two Strange InterestS
 うーん、目の前にリアルツンデレ(多分)がいる。眼鏡男子には結構ツンデレが多いと思ってはいたけど……っていうか、男の場合もツンデレって言うのかしら。誰か教えてくれないかな。

「新谷氏、怒ってる?」

「パソコンを今すぐ起動して沢城のセーブデータだけ全消去したいくらい怒ってる」

「えぇ!? それは絶対ダメっ!」

 本気にも冗談とも取れない冷めた声に焦った私は、慌てて立ち上がった。
 互いを見つめる瞳が、苦笑いであることに気づく。

「ねぇ、新谷氏……私たち、何を言い合ってるんだろうねぇ」

「言い始めたのは沢城だろ?」

「そりゃあそうだけど……まぁいいや。話を整理しよう?」

 私の言葉に一度頷いた彼は、不意に、左手を突き出した。

「あれ、新谷氏?」

「いいから」

 この状況で握手? 仲直りってことかな……私は特に迷うこともなく彼の手を握った。刹那、

「へぇぁっ!?」

 いきなりその手を引っ張られ、よろける。喉の奥から変な声が出たのは気にしない。

 ついさっきもこんな状況になったなぁと思いながら、私が何とか体勢を整えていると、

「……誰に対しても言ってるわけじゃないから」

 不意に。
 耳元で囁かれた言葉には、初めて感じる破壊力がある。
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