Two Strange InterestS
 一瞬呼吸を忘れた、それくらいの衝撃。

 だ、だって……合鍵!? それを私に預ける!? まるで彼女みたいじゃないか!?

「私、に?」

 半信半疑で確認すると、彼が笑顔で首肯する。
 眼前でゆれる鍵を、私は恐る恐る両手で受け取った。

「でも……いいの?」

「俺がいるときじゃないとパソコンを使えないんじゃ、沢城のストレスがたまるんじゃないかって思ってさ」

 何だよその理由。
 さらりと言い放った彼の言葉に、思わずムッとしてしまう私がいる。

 そりゃあ……そりゃあ確かに、タイミング悪いところでセーブしなくちゃならなくて、その続きが4日後にしか出来なかった時は……色んな意味で辛かったけど。

 そのストレスから解放されるのは、個人的に嬉しい。
 嬉しいよ?
 でも、

「――っていうのは建前で」

 私の心中を察した彼が、にやりとした表情で見つめていた。
 ……私の反応予想して、絶対わざと言ったんだな!

 悔しいので、その後は聞いてあげないフリをする。ただ……私に嬉しい言葉であることには変わりなかったので、頬が思いっきり緩んでしまったけど。
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