Two Strange InterestS
 ゲームをやりたくてバイトが早く終われと思うことはあったけど、彼に会いたいから早く終われと思うことは、案外初めてかもしれない。

 少し考えればヒドイな。そんな自分に怒りさえ感じてしまう。だけど、今日からは……これからは多分、こう思うことの方が多くなっていく……はず、だから。多分。

 夜道を自転車でかっ飛ばし、そのまま、彼のマンションに直行。ココはオートロックじゃないので、エレベーターで目的地を目指すのみ。

 程なくして、扉の前に到着。まだ、時間的に彼は帰ってきてないはずだから、鍵をさして扉を開けようと……。

 鍵穴に鍵を突っ込んだ瞬間、私は隙間から悟った。


 鍵が、開いているのだ。


 どうして? 彼は今日バイトだったはずだ。本人の口から聞いたのだから間違いない。

 いきなり休みになったのだろうか。その可能性は否定できない。だけど……室内が暗い。だから、誰もいないと思ったのに。

 嫌な想像ばかりがグルグル回る。バイト前に出会った林檎ちゃんが、あのままこの部屋に押しかけてきて、押しに弱い新谷氏は断りきれずにそのまま――
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