Two Strange InterestS
 ただ、

「心配だから、今日はこのまま居座らせてもらうね。あ、大丈夫、暇になったらゲームでもしてるから」

「……あのな」

 何か言いたそうだ。大丈夫だよ、言わなくても分かってるから☆

 まぁ、私としても半分冗談だし。それに、最初から……彼を放っておいて部屋に戻ろうなんて、思ってなかったから。

「疲れたら適当に休むから。新谷氏は……」

「む。」

「……ハイハイすいません。薫は、今日はもうゆっくり休んでくださいませ。でないと、私も安心して休めないから」

 律儀に名前を呼ばせる彼に従いながらも、半ば強引に寝かしつけた。
 素直に布団の中へもぐりこんだ彼は、額の冷却ジェルシートを取り替える私を、じぃっと見上げて。

「一緒に寝るか?」

「風邪をうつされるなんて冗談じゃない。私は看病される側になんかなりませんからねっ」

「都、冷たい……」

「悲しむなっ! それに……元気になったら、いくらでも側にいてあげるわよ」

 額に新しいシートをべちっと貼り付け、正直な思いを口にする。
 最初、ぽかんとした表情で私を見つめる彼だったが……「じゃあ、さっさと治さないとな」と、笑顔で呟いた。

 そうだよ、さっさと完治してもらわないと。
 これ以上、心配ばかりしたくないんだから。

 大人しく目を閉じた彼にため息をつきながら、明日は彼が――薫が、いつものように、優しい顔で私を起こしてくれるように……願った。
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