☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
静かな教室に響いたあたしの声に二人は振り向いた。
二人の視線が痛い。
俯くあたし。
「加賀君!ごめんっ。」
そう言って頭を下げた。
「そう言う事だから。もう多栄には近寄るな!」
義人が加賀君向かって言う。
加賀君は近くにある椅子に座り込み、
「安村を傷付けたら、容赦なく奪う…。」
「お前は俺から、多栄を奪えない。」
それだけ言うと義人はあたしの腕を掴み教室を出た。
そして、
「何があっても、俺から離れるな!」
強く引っ張られる腕がジンジン痛む。