☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
色んな機械の音だけが病室に響き渡る。
手を握っても、握り返して来ない。
可愛い、綺麗な顔が台無しだ。
多栄の顔に近付いた。酸素マスクが少しだけ曇った。
息はしているみたい。
それを見て、少し安心した。
優しく髪を触っても、ただ目を閉じている多栄。
なんでこんな事に…?
怒りが込み上げてくるが、多栄が無事だったんだ。
だから、今は目を覚ます多栄を待つしかない。
それから毎日、多栄に会いに行った。
3日経っても、まだ目を開けない。