☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
着いた先は…屋上。
「義人クン!痛いよ…。」
握られていた腕がジンジン痛む。
何も言わずに手を離す義人クン。
「しゃべってんじゃねぇ!!」
義人クンは背を向けたまま、低い声で言った。
「なぜ?なぜしゃべったらダメなの?」
あたしは義人クンの前まで移動して尋ねた。
遠くを見て…。
あたしと目を合わそうとしない。
「もう!なんとか言ってよ!」
顔を真っ赤にさせて怒ったあたしにやっと目を合わせた義人クン。
「多栄は俺のんだから!」