☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
俯いていたあたしは、パッと上を向き言い訳を言おうとした。
「違うの…、あれは携帯小説を読んでただけ!!」
あたしを見下げる義人の顔が少し曇っている様に感じた。
真っ暗になったグランドにはあたしと義人しかいない。
あたしの言葉を聞いた義人は、ただ黙っているだけ…。
シーンと静まり返る周りは街灯が燈り始め
はぁ~。
大きな溜め息を漏らした義人は、
「行くぞ。」
その一言だけを言うと、あたしに背を向け、校門に向かって歩き出す。
なんだか、最近、ますます怒る事が多くなった気がするなぁ…。