☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
あたしに向かって手を差し延べている。
今まで、外でなんて手繋いでくれなかったのに…。
義人の前まで辿りついたんだけど、差し出された手を握るのが恥ずかしくて、なかなか手を出せない。
「んっ!」
って、偉そうにあたしの手を握った義人。
体中が心臓になったみたいにドキドキがうるさい。
真っ赤になるあたしは俯いてしまい、握られている手に神経が集中している。
義人の顔色が気になりチラッと見ると目が合い、
「何みてんだよ?」
って、すぐ逸らされた。