☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
触れるだけの優しいキス。
ゆっくりとあたしの唇から義人の唇の感覚が消えて行く。
このキスが好き。
義人が好き。
まだ離してほしくなかったあたしは、心の中でキスを求めてしまう。
名残惜しい義人の唇…。なぜかそこばかりを見てしまう。
薄くて綺麗な唇に見とれて居たあたしに、
「まだ、離してほしくなかったとか?」
月明りが義人の顔を照らす。
あたしの心を読む義人の言葉が恥ずかしいすぎる。
俯いてしまいそうになるが、見詰める義人の目から離せ無くなった。