☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~



「泣くなよ!」


ウザそうな声。



せっかくおしゃれして来たつもりなのに。



そんな言葉を義人の口から聞くとは、思っていなくて。



「ヒック……。」


あたしの涙は止まる事なく、余計に溢れ出して来た。


「スカート短いんだよ…。」


義人の小さな呟きを聞き逃しはしなかった。



俯いていたあたしは義人を見上げた。



そっぽ向いて頭を掻いて、なぜか少し顔を赤くさせていた。



「え…?短いかな?」


「短いに決まってるだろ!」



あたしのワンピースを指差す。



< 36 / 210 >

この作品をシェア

pagetop