☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
腕を引かれ、下校するあたしと義人。
二人は沈黙のままただ、ゆっくりと歩く。
今、この腕を払い退ければ、あたしの関係は終わってしまう様な気がする。
「お前…。」
沈黙を破ったのは義人。
「何?」
俯きながら答えるあたし。
「隠し事って何?」
義人の不機嫌な声。
「て、手紙…。高本さんからもらったんでしょ?」
「もらった。」
やっぱり。
梨香の言った事はホントだったんだ。
義人の返事に胸が急に苦しくなる。