☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
着いた先は、いつもの屋上。
キツい風が吹いている。
髪とスカートを押さえながら、義人の背中を見詰める。
振り返った義人。
「お前、やっぱり勘違いしてるよな?」
気怠い態度の義人は冷たい目であたしを見下ろしている。
「勘違い…?」
首を傾げるあたしに義人は、前髪を掻き上げながら、
「高本は……、
いとこなんだ!」
いとこかぁ…。
そうなんだ?
って、マジ???
今の今まで知らなかった。多分、誰も知らない。