☆わがまま彼氏☆ ~あたしの記憶を取り戻して~
あたしの前を通り過ぎて、出口に向かう義人の腕を掴んだ。
「待って…。」
そう言って泣きそうになるあたしを見て、立ち止まってくれた。
「言うのか?」
俯いていたあたしはコクリと首を振った。
「絶対に怒んないって約束してくれる?」
「はぁ?内容による。」
えぇ…。
さすがにこの内容は怒るよね。
「やだ、怒んないって約束して!」
義人の腕を持つ手に力が入ったあたし。
「はぁ…。」
義人は大きな溜め息を吐き、地面に座り込んだ。