半径1㍍禁止
真美に怒られるってば。
話聞いてた?
「はいはい、桐人君ね。
んじゃ、またいつか
お会いできるといーですね。」
右手をひらひらして、
さっさと立ち去ろうとした。
すると、
「ちょーっと、待ってよ。」
また、腕を掴まれた。
「どんだけ…。
ダチが待ってんのー!
アイスも溶けるじゃん!?」
私が言った。
「でもさ、話違うでしょ?
君の名前も教えてよ。
アイスなんて、
冷やせばまた固まるだろ。」
桐人が言う。
とことん、ムカつく奴だな。
「藍衣。水沢藍衣ね。
んじゃ、ばいばい~。」
そう言って、
掴まれた手を振り払い帰った私。
「真美にがられる~。」
なんて、怯えながら走って帰った。