半径1㍍禁止
「裕の事だろ?」
桐斗が私に顔を近づけて言う。
なんで…。
けど、言葉にならない。
近すぎ…。
「…教えてほしい?」
桐斗が笑って言った。
「何を?」
顔が近くて。
どこを見ればいいか分からない。
すると、顎を掴まれて。
桐斗の瞳に捕まった。
「裕が族を辞めた理由。」
「裕がどうして、藍衣にヤンキーをやめろってうるさいか。」
「…知ってるの?」
私が言った。
「俺は、全部知ってるよ?
族の総長だからね。
何もしなくても、情報が入ってくる。」
桐斗がニヤリと笑って言う。
だから、私が喧嘩した事も知ってたのか。
「教えてよ。」
私が言った。