半径1㍍禁止

「した方がね…。電話の方がいいか。」


アド帳から、名前を探す。


待って、なんて言えば……。

ま、いーや。


通話ボタンを押した、私。

「…あ、あー。」

声が…、ちょっと。


異常に緊張していた。


「もしもし…。」


出た。


「…あたし、藍衣だけどさ。」

「…あー…。」



「「昨日は、ごめん。」」



声が重なった。


「…はい?」

私が言う。

「…言い過ぎた。ごめん。」

裕が言った。


「あたしこそ、なんか無神経でごめん。」

「…心配だった。
アイツさ…、女癖悪いらしいし…。」


「うん。」


< 144 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop