半径1㍍禁止

黙って、裕を見ていた。


「………嘘っ…。」

立ちすくんでしまった。

みんな…、みんな殴り合いを始めたから。


裕の相手は、みんな高校生。

明らかに、あっちが強そうなのに。


裕は、殴って蹴って。

どんどん相手が、くたばる。


初めて、こんなの生で見た。


当たり前だよ…。

こんな事してたら、あんな怪我するはすだ。


黙って見ていると、男の人が近づいてきた。

思わず、固まってしまった。


「お前も、喧嘩するために来たのか?」

怖い……。

私は、黙って首を横に振る。

その人は、顔も体も血だらけだった。


「おい。なにしてんだよ。」

裕が、私の前に立つ。

「……裕っ…。」

私は、裕の背中にしがみついた。


< 150 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop