半径1㍍禁止

「藍衣っ!」


知らなかった。

裕が、こんな世界にいた事。


「……裕っ。」

私が呼ぶと、裕が笑った。


「お前、また勝ったな~。
本当、すげーよ。」

そう言って、裕の頭をくしゃくしゃに撫でる。


裕は、とっても嬉しそう。


「格好良い…。」


思わず、そんな言葉を口走っていた。


ちょっとしたお調子者。

ちょっとした問題児。

じゃなくて、本当の悪になりたい。


喧嘩って、勝ったらスゴい快感じゃん。

私も、裕みたいに強いって言われたい。


憧れてた。

こんな事できたら、格好良いなって。


帰り道。


「裕…、
あたしもヤンキーになりたいっ!」


もう、止められなかった。

気づけば、スゴい影響を受けていた。


「…来いよっ!」

そう言って、裕は笑った。


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