半径1㍍禁止
迷宮
『お前を地獄に落とす事かな。』
裕から聞いた。
やっぱり、今も変わってないの?
ねえ。
裕が、なんかした?
「そろそろ、帰る時間じゃない?」
桐斗が立ち上がる。
時計を見ると、6時だった。
もう、こんな時間か…。
「うん。」
私は、小さな声で言った。
「藍衣。」
部屋から出ようとしたら、桐斗から呼ばれる。
私は、何も言わず振り向いた。
「なに思ってるか、知らないけど。
俺、変わったから。」
「………変わった?」
「そ。やり方が、変わった。」
意味が分からない。
とりあえず頷いて階段を降りようとした。
「藍衣に出会ってから。」
「えっ?」
振り向くと、桐斗は笑ってキスをした。