半径1㍍禁止

煙草を落として、足で踏みつける。


「はい。」

桐斗が手を出す。

「……ども。」

その手に掴まって立ち上がった。



「女に手出してる馬鹿は、どいつよ?」

桐斗が、さっきの男を睨みつけて言った。

「……お前…、桐斗…。」

その男は、唖然としていた。


「まぬけな面してるね。」

桐斗が笑う。

「……うっせーな。
そいつが、俺の女やったんだよ。」

そう言って、私の胸ぐらを掴んできた。


――バンっ…!!

蹴り入れようと思ったら、桐斗の方が早かった。


「…汚い手で、俺の藍衣触んないでよ。」

桐斗が言う。

. .
俺のは、間違ってるよー。


「俺でよかったら、相手してやるけど?」

今度は、桐斗が男の胸ぐらを掴む。


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