半径1㍍禁止

「うん。ごめんね。」

「どういたしまして。」

桐斗が言った。


「じゃあ…。ばいばい?」

私が首を傾げる。

「藍衣、可愛い。また、遊ぼうね。」

手が伸びて、また頭を撫でられるのかと思った。


ら……。

頭を押されて、抱きしめられた。


「おやすみ。」

耳元で囁かれる。


「………おやすみっ!」

そう言って、急いで玄関に走った。


きっと、こんな私を見てまた笑っているんだろう。


桐斗の顔が、頭に浮かぶ。


顔が熱い。


「…やっぱ、どうかしてる。」


頭を横に、ぶんぶん振った。


「はぁー…。」

頬に手を当てる。


火照ってるし…。


疲れたから、熱あるのかも。


顔が赤いのを熱のせいにして。

さっさと眠りについた。

< 197 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop