半径1㍍禁止
「あ…。」
振り向くと、煙草を吸いながら歩いている桐斗がいた。
早すぎ…。
「なにしてるの?」
桐斗が面白そうに言う。
「…別に何にも。」
私は、苦笑い。
「お出迎え?」
「…そうっ!お出迎え。」
私が笑って言った。
「…今日は、やけに優しいじゃん。
なんか、変なもの降ってきそう。」
桐斗が空を見上げて言う。
「優しくしてあげてるのに、それはなくない?」
私が膨れっ面で言った。
「嘘だよ。」
そう言って、頭を撫でられる。
「……会いたかった。」
え…?あ…いた…かった…?
あたし、なに言ってんの。
「ん?」
呆然としてる私に桐斗が笑って言う。
「…なんでもない。」
私は、焦って首を横に振った。