半径1㍍禁止

「じゃあ、なんで会いたいなんて言ったんだよ。」

桐斗が膨れっ面で言う。


会いたいって言ったら、ヤる気って意味になるのか聞きたいよ。


「会いたいとか言ってないっ。
遊びたいって言ったしっ!」

「言ったからー。
会いたかったって、俺聞きましたー。」

桐斗が私の顎を掴む。


「言ってない。」

「いや、言ったね。」

「言ってないったら、言ってないっ!」


「あそ。ま、藍衣から誘ったのには変わりないから。」

桐斗が私の首筋に顔をうずめる。


「待ってっ…ゃっ…。」

私が必死に桐斗の胸板を押す。

「待たない。ってか、待てない。」

桐斗が喋ると息がかかって、くすぐったい。


「…桐斗っ…。」

唇を噛み締めて声を我慢する。

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