半径1㍍禁止
足に力がはいらない。
「……んんっ…ぁ…っ!」
あー、倒れるっ…!
と、思ったら視界は真っ逆さま。
ふと気づいたら、桐斗が私に覆い被さっていた。
「意外に体力ないね。」
そう言って、馬鹿にしたように笑う。
…余計なお世話だよ。
「……な、なに?」
桐斗が、まじまじと見つめてくるから目を逸らさずおえない。
「気になってたんだけど。」
――グイッ
腕を引っ張られて、起き上がった私。
「言えない事って、なんだよ?」
桐斗の顔が、すぐ目の前。
とりあえず、離れてほしい。
「……言えない事…。」
『そいつも、潰してやるよ。
………お前みたいにね。』
あぁ。
何回思い出せば気が済むんだろう。