半径1㍍禁止

そんな事、って……。


「藍衣には、重要だったんだ。」

桐斗が嬉しそうに言った。

「だって…。」


「裕に変な事、言われた?」


う゛っ……。


「俺に近づくなとか?」


なっ……。


「…まぁ、裕の事は嫌いだけど。
そこまで、たち悪い奴じゃないよ?俺。」


桐斗がフッと鼻で笑う。


「……分かってる。」

つい、そんな事を言った。



「他に、なんかある?」

桐斗が言う。

「……なんで、裕の事嫌いなの…。」

今なら、聞けると思った。


「…面白い事、聞くね。」

桐斗が笑う。


面白い事……。


「アイツはさ。
俺の大切なもの奪ったんだよ。」


大切なもの……。


「なに…。大切なものって…。」

私が言う。

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