半径1㍍禁止
立ち去ろうとした。
俺の腕をつかむ、ゆりか。
「……あんまり。
喧嘩しない方がいいよ?」
ゆりかが、心配そうに言う。
「…あぁ。」
分かってるんだけど。
「気をつけてね?」
心配してくれる人がいる事が、嬉しい。
「ん。」
この時、俺が喧嘩なんかしてなければ。
ヤンキーなんて世界に踏み込んでなければ。
今でも、ゆりかとの関係は続いてたのかもしれない。
けど、アイツが悪いんだ。
願っていた。
幸せ。
ずっと、続くと思っていた。
永遠。
それを粉々にしたのは、
奪っていったのは、
アイツだった。