半径1㍍禁止
何キロぐらい走っただろう。
ゆりかも、この距離を走ってきたんだ。
本当に必死だったんだなと思った。
公園…。
「あ…。」
――バシャンっ!
水しぶきが、飛ぶ。
公園の中を見ると、1人の男が囲まれて
リンチされてるみたいだった。
「本当、弱っちいなお前。」
――バシャっ!
蹴られてるらしいけど、泥が酷くてよく見えない。
「おい。そいつ、誰か見せて。」
そう言って、中に割り込んだ俺。
「なんだよ、お前。」
リーダーなのか、俺を睨みつけてきた。
「……はぁー…。」
顔を見ると、思った通り。
ゆりかの彼氏だった。
だいぶ、蹴られたり殴れたりしたらしく。
どこも傷や痣だらけだった。