半径1㍍禁止
なんで、逃げろなんて言ったのかねぇ。
「…これ、俺の友達だから。」
たくみの腕を引っ張った。
――バンっ!
「……は?」
コイツ、馬鹿だろ。
俺の手を拒んだ。
「おいおい。
友達なんじゃねーのかよ?」
周りの奴らが、笑って言う。
「なに、見捨てろって?」
俺が言った。
すると、たくみはうずくまりながら頷く。
「逃げろとか、格好つけといてそのザマだろ?
俺、心配なんだけど。」
一応、ゆりかの彼氏だし。
「……ぃぃ…。」
今にも消えてしまいそうな声で言う。
「なんで…。」
「脅しにビビってんじゃねーのっ!?」
周りの奴が、狂ったように大声を出す。
うるせーな。