半径1㍍禁止
「じゃあ、行っていいわけ?」
俺が言う。
たくみは、頷く。
…………。
馬鹿しか、言いようがない。
「…ほら、行けよ。
俺ら、もう少し遊ぶから。」
周りの奴らが言う。
「裕さんが、逃がしてやるなんて幸運だぞお前。」
これが、幸運か。
「いや、やっぱり無理。」
腕を物凄い力で、引っ張った俺。
たくみが抵抗する。
所詮、お前の力なんて軽いもんだ。
「……やめろっ!!」
たくみが、大声を出した。
やめろ……?
「…笑わすなよ。」
「お前に助けてもらう筋合いはないし…。
ゆりかは、俺が守るんだよ…。」
たくみが言った。
あぁ。やっぱり、嫉妬してるんだ。
ライバル心、燃やしてんの?
俺、そんな気全くないんだけど。