半径1㍍禁止
現実
「…早く行けよっ…!!」
たくみが、俺をバシバシ叩く。
そんな場面を見て、馬鹿笑いしてる周り
の奴ら。
アホらしくなってきた。
恥かかせんなよ。
「…自分の無力さ知るためのいい機会なんじゃない?」
鼻で笑って、腕をねじ曲げた。
「いっ…!!」
たくみが倒れる。
そんぐらいで倒れてたら、話なんないけどね。
ま、いーんじゃない。
―――ザー…
雨も、だいぶやんできた。
結局、そのまま家に帰る事にした。
『ゆりかは、俺が守るんだよ…。』
『…早く行けよっ…!!』
格好つけるのも、口だけにしてほしい。
「行って、損した。」
そんな独り言を呟きながら、雨に濡れて帰っていた。