半径1㍍禁止

「なに、召使い?パシリ?」

俺が笑って言う。

「…だって…。」

ゆりかが戸惑う。


「ナメんのも、いい加減にしろよ。」

いい迷惑だ。


「………だって…。
…桐斗しかいなかったんだもん…。」

ゆりかが泣きだす。


「…なんで、泣く…?」

「ごめんなさいっ…。
けど…、桐斗だったら…。」

そんな泣かれると、何も言えない。


「…たくみは……?」

ゆりかが言う。

「……いたけど。公園に。」

「なんで、いないの!?」

ゆりかが、しがみついてくる。


「……なんでって…。」

アイツが助けるなって言ったから。

「…ー…たんだ…。」


「は?」


「見捨てたんでしょっ!?」

ゆりかが狂ったように声を出す。


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