半径1㍍禁止


「ちゃんとした大人になれたらいいね。」

私が笑って言った。


裕は、ずっと家の方を見つめている。


「…裕。」

私が呼ぶと、



「…………。」


裕から、抱きしめられた。



「…間違ってると思ってた。
藍衣が、そう言ってくれて嬉しい。」


ずっと、見たかった。

その笑顔。



――お前、本当すげーよっ!


あの時の笑顔。


――格好いい。


私がそう思った笑顔。


――ヤンキーになりたいっ!!


そう決めた時の笑顔。


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