半径1㍍禁止
「…え、待ってよ。」
ちょっと…、いきなりすぎじゃ…。
「藍衣に拒否権は、ないから。」
桐斗が、私の顎を掴む。
…離してください。
「……けど…。」
そんな賭されても、ますます選べない。
「まさか、藍衣……。」
――ヤり逃げすんの?
ヤ……ヤ、ヤり逃げ…!?
「…な、なに言ってんの…!?」
私が焦って言う。
そんな私を、桐斗は面白そうに見る。
「…もうっ!!
だから、デタラメ言わないでよっ!」
「デタラメデタラメって…。
全部、本当のくせに。」
じゃあ、またあとで~、そう言って去って行った桐斗。
何者だよ…。
疲れが、ドッと増す。