半径1㍍禁止





ねえ、あたし……。
















「あ…。」

桐斗が言う。



右を見ると、真美と純平君がいた。



「……見て…ないよ、…ね?」


私が言うと、真美は横に首を振る。


「…見てたよっ!」

満面の笑みでそう答える、真美。



気づけば、ここ廊下のド真ん中だし。


真美の方に逃げようとすると、桐斗に捕まえられた。


「逃がさない。」

桐斗が、ニヤリと笑う。


なんなんだ…。


「この状況分かる?離れてよ。」

私が言った。

「…この状況だから、離れないんじゃん。
藍衣も本当は、離れたくないでしょ?」


よく、自分のお兄さんの前でそんな事を…。


< 278 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop