半径1㍍禁止

すると、桐斗は笑う。


「気に入らないなら、
自分で守ってみれば?」

「……っ…。」

裕が悔しそうな顔をする。


「俺は、どんな事があっても藍衣を守れる自信があるよ。」

桐斗は、まるで私に言ってるかのよう。


「偽りは、いらねーんだよ。
藍衣に、近づくな。」


……偽り……?


「笑わせるね。」


やっぱりだ。

なんで…、
“違う”って言ってくれないの?

ちゃんと、偽りじゃないって否定してよ。


「軽い気持ちで、藍衣を振り回すな。」

裕がそう言って、歩き出す。

「お前は、重すぎんじゃない。」

桐斗が馬鹿にして言う。


「藍衣、行くぞ。」

裕から、腕を引っ張られた。


桐斗を見る。


「馬鹿みたい。」

それだけ言って、反対側を歩いて行く。

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