半径1㍍禁止


『藍衣。』って、呼んでくれないんだ。


『おいで。』って、期待してた自分が嫌になる。


本当に、嘘…?

本当に、偽りなわけ?


「藍衣。」

そう呼んだのは、桐斗じゃなくて…。

「うん。」

黙って、裕に着いて行く。


これで、いいんだ。

もう、騙されてるなら着いていかない。

関わらないから…。


「俺といればいい。」

裕といればいいんでしょ…?


私は、何も言わず頷いた。


結局、保証なんてどこにもない。

けど、桐斗は否定しない。


それじゃあ、偽りか真実かも分からない。


このまま、終わってしまえばいい。

分からないまま…。


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