半径1㍍禁止
あれから、何日経っただろう。
裕に言われてから、
ずっと桐斗を避けていた。
なるべく、クラスの前も通らない。
まず、教室からあまり出なくなった。
「藍衣ー!
ここ、分かんねーんだけどっ!」
裕が言う。
休み時間になると、いつも裕は私の所に話に来る。
別に、迷惑なんじゃない。
ただ、これも考えてるのかな…なんて。
「裕が分かんない所なんて、あたしもっと分かんないし。」
私が笑って言う。
「だなー。」
「貸してごらんっ!
真美が教えてあげるから~!」
「お前で、大丈夫かよ。」
「はぁ!?少なくとも、藍衣よりは大丈夫だからっ!」
いやいや…。
「どっちもどっちだってっ。」
「ほらっ!ここがこうだからー…、」
真美が必死に裕に説明する。