半径1㍍禁止
「やっぱり、嘘ついてたんじゃん。」
私が言った。
「本当は、藍衣を騙そうとしてた。
痛い目に合わせようとしてた。
けど…、いつの間にか藍衣をからかうのが楽しくなってた。」
桐斗が私の頭を撫でる。
「…俺が、この前言ったでしょ。
“やり方が変わった”って。」
「それ…、意味が分かんなかった。」
私がそう言うと桐斗は、笑う。
「前の俺は、裕の大切な人を傷つけて、苦しめようとしてた。
けど、そういう考えはやめた。
なんで、そう思ったか…分かる?」
分からない。
私は、首を横に振る。
「藍衣の事が、本気で好きになった。」