半径1㍍禁止

「やっぱり、嘘ついてたんじゃん。」

私が言った。


「本当は、藍衣を騙そうとしてた。
痛い目に合わせようとしてた。

けど…、いつの間にか藍衣をからかうのが楽しくなってた。」

桐斗が私の頭を撫でる。


「…俺が、この前言ったでしょ。
“やり方が変わった”って。」


「それ…、意味が分かんなかった。」

私がそう言うと桐斗は、笑う。


「前の俺は、裕の大切な人を傷つけて、苦しめようとしてた。

けど、そういう考えはやめた。
なんで、そう思ったか…分かる?」


分からない。

私は、首を横に振る。
















「藍衣の事が、本気で好きになった。」













< 313 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop