半径1㍍禁止


「馬鹿の友達は、やっぱり馬鹿だね。」

桐斗が笑って言う。


「あたしは、馬鹿じゃないっ!」

私が言い返した。


「どうかねぇ?」

桐斗が私を見下ろして言う。


「ほら、またいちゃいちゃしてるぅ!
お客さんいるんだよっ!」

真美がレジを指さす。


あのおばさんが、1人でレジをしていた。

しかも、そのお客さん…。


「いいよ、あれ俺の連れだから。」


ギンとヒロだった。

赤髪目立つっつうのっ…!


「ねえ、何時に終わんの?」

「……三時だけど…。」


「待ってていい?」

「……へ…?」

予想外の言葉に驚いた、私。


「デートしようよ。」

桐斗が私の耳元で囁く。


顔がボッと熱くなった。

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