半径1㍍禁止
「……………。」
ずっと、沈黙が続いた。
――ドンっ
掴んでた服を離した。
すると、女はすぐに逃げて行く。
「…帰ろ。」
真美の手をとって、コンビニを出た。
「…藍衣ちゃんっ。」
真美がか弱い声で言う。
私は、黙って振り向いた。
「…藍衣の事、全部は知らない。
ヤンキーだった時だって、一緒にいなかったけど…。
藍衣が強かった事は、知ってるよ。
でも…、真美には関係ない。
大切な友達だからっ!
悪い事は、悪いって言うからねっ…。」
真美が下を向く。
手がまだかすかに震えていて、分かった。
真美が、これを言うだけにスゴい勇気を出したって事。