半径1㍍禁止


「……………。」


ずっと、沈黙が続いた。


――ドンっ


掴んでた服を離した。

すると、女はすぐに逃げて行く。


「…帰ろ。」

真美の手をとって、コンビニを出た。


「…藍衣ちゃんっ。」

真美がか弱い声で言う。


私は、黙って振り向いた。


「…藍衣の事、全部は知らない。

ヤンキーだった時だって、一緒にいなかったけど…。

藍衣が強かった事は、知ってるよ。
でも…、真美には関係ない。

大切な友達だからっ!
悪い事は、悪いって言うからねっ…。」


真美が下を向く。


手がまだかすかに震えていて、分かった。

真美が、これを言うだけにスゴい勇気を出したって事。


< 340 / 504 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop