半径1㍍禁止
「…ななっ……。」
桐斗を見た。
きっと、私…。
今、スッゴい顔赤いと思う。
「俺が守ってやるよ。」
桐斗の人差し指が、私の顎をなぞる。
「だから、藍衣は喧嘩しなくていい。
王子に任しとけばいーでしょ。」
桐斗がニヤリと笑って言った。
自分の事、王子とか言ってるし…。
「ねえ、どうする?」
「………え…?」
ど、どうする…?
「俺の姫になんない?」
桐斗が挑発的な瞳を向けて言う。
「…ひ、姫って…。」
あたしに一番合わない単語だよ。
「藍衣にぴったりだと思うけど。」
桐斗が馬鹿にしたように笑う。
絶対、思ってないね…。