半径1㍍禁止

桐斗が、ゆっくり写真を開く。

ギュッと、桐斗のシャツを握った。


「……………。」

桐斗は、黙ってみている。


それは、明らかに桐斗とあたしが……。


「……やってくれるよね。」

桐斗がフッと笑う。

「……え…?」


「…覗き見とか、悪趣味じゃん。
ま、これはさておいて?」

桐斗が言った。


私の前で、ヒラヒラさせる写真。


「あー、それはダメっ…!!」


私がばばあを殴ってる写真だった。


「なんで?俺は、傑作だと思うけど。」

桐斗が笑う。

「…酷っ…!」

膨れっ面になる、私。


「おい。」

裕が呼ぶ。

「…まだ、いたんだ。」

なんて、桐斗は言った。


やめてよ…。


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