半径1㍍禁止
「…知らないわけ?」
桐斗が呆れ顔で言う。
「………は…ぃ…?」
ちょっと、待ってくれっ…!
「なんで、あたしなのさっ!」
私が膨れっ面で言った。
「下調べぐらいしといてよ。」
桐斗が笑って言う。
いやいや…。
こっち被害者なんだけどね…。
私が、黙っていると。
「…嘘だってば。そんな怒んなよ。」
そう言って笑うと、歩いて行く桐斗。
本当、自分勝手ー…。
「もー、待ってよ。」
口を尖らせて、それでもついて行く。
ずっと、
ぶらぶらぶらぶら…ぶらぶら……、って。
…探す気あんの…?
「…ねー、桐斗ー。」
なに、なにがしたいの。←