半径1㍍禁止
「行くわけ?」
桐斗が私を横目に言った。
「…怒んないでよー…。」
桐斗の袖を掴む。
「…怒ってないけど?」
いやー…。
明らかに怒ってるだろ。
私が黙っていると、桐斗の顔が近づいた。
「藍衣は、俺に夢中だね。」
桐斗がクスッと笑う。
「なっ…なんで…!…ち、ちがうっ!」
私が噛みまくりながら、言った。
そんな私を見て、また笑う。
「俺も、藍衣に夢中だけどね。」
「……意地悪。」
胸がキュンとなる。
桐斗といると、胸の高鳴りが止まらない。
ねえ、もっと一緒にいたいって思うんだ。
「……桐斗。」
小さな声で呼んでみた。
「ん?」
桐斗が私を抱きしめる。
「……好き。」