半径1㍍禁止
――ガラッ
「失礼しましたああー…。」
ドアが虚しく閉まる。
「…んもうっ!
藍衣ちん、どしてくれるのよっ!」
教室を出るなり、真美が意味の分からない日本語で文句を言ってきた。
「さああ…?」
私は、半笑いで言う。
「他人事なんだから~!!」
真美から、一発叩かれた。
「痛いー…。」
これが結構痛かったりする。
けど、今の私はそれどころじゃない。
『好き。』
自分の失言に気づいたのは、口に出してから約10秒後。
走って逃げてきたのは、言うまでもなく…。
失言を気にしては、そわそわしていた。
桐斗は、驚いた顔をしていた。
初めて見たよ…。
桐斗が驚いている顔。