半径1㍍禁止
「ねえ。真美、どうしちゃったの…?」
と、言っても遅い。
真美は、夕日に向かって走って行った。←
足速いな、アイツ。
私は、変わらずだらだら歩いていた。
――パシャ
後ろを振り向いた。
「…………あ。」
朝から、探してた。
カメラを首にかけてる、この女。
ネームプレートを見ると、まさかの同じ学年だった。
名字は……、
「…う…え…、」
私が目を細めて見ていると、女がネームプレートを手で隠す。
「…ちっ…。」
つい、舌打ちをした。
名字は、分かった。
―――上原
「で、何のよう。」
私が言う。
「新しいスクープを手に入れたから、その写真を撮るの。」
そう言って、フラッシュが光る。