半径1㍍禁止
ほら、またそんな目で見てくる。
「……また、問題起こしたのね。」
お母さんが小さな声で言う。
「それがなに。」
思わず、目をそらす私。
「…迷惑ばっかり、かけてないで。
あなたも、そろそろしっかりしたら?」
久しぶりにちゃんと見た、お母さんの顔。
隈ができいて、少しやつれていた。
「…あたしが、いつ迷惑かけた?
自分の事は、全部自分でやってるじゃん。
何もしてくれないくせに、口出しばっか。」
そう言って、二階に上がった。
久しぶりに話したと思えば、これ。
一生、こんな感じなのかな。
そう思うと、笑えてきた。
馬鹿らしい。
どうせ、何を言ったって変わらない。
変わってくれないんだ。