半径1㍍禁止

「…それこそ、冗談だよね。」

私は、ニッコリと笑った。


「…さぁ。冗談かねぇ。」

私の顎をスーッとなぞる。


「言っとくけど。拒否権なしだよ?」

分かってるでしょ?そう言って、首を傾げる。


胸がキュンとなった。


「……いっ、一週間もなんて…。
むっ…、無理だしっ!」

桐斗の袖をぎゅっと握る。


「その時は、無理やりさらってやるよ。」


「…あ。」


そう言うと私から離れた、桐斗。


「ここ俺が嫌いな奴の席だった。
ま、あとでおいで。」


私の頭を撫でて、教室を出て行った。


「無理やりさらってやるよ、って…。」


なに言ってんだかー…。

そんな事を思いながらも、胸の高鳴りが止まらなかったのは言うまでもない。


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